考古学・文化遺産の分野でも3D計測が急速に普及しています。地中に埋もれている遺跡だけでなく、古墳、城跡など地上で確認できる立体的な構造物・建造物は3D点群による計測記録に適しています。とくに範囲の広い城跡についてはドローンなどによる航空計測が有効ですが、山林に覆われている場合、上空からの計測だけでは樹下の状態は記録することが困難です。今回、4D LAB大八木さんに計測をしていただいた 沼津市興国寺城(国史跡) もそうした対象のひとつです。静岡県が公開しているポイントクラウドDBにも航空LiDAR計測データが公開されていますが、樹木で覆われた範囲については地表の状態は分かりません。
そこで今回、大八木さんに、RTC360を使用して地上からの計測のご協力をいただきました。
実際、樹木で覆われた範囲は地表でも見通しが良くなく、TLSでの計測は容易ではありません。さらに戦国時代の城として作られた堀、土塁など敵を阻むための防御施設が、現代の最先端技術による3D計測の障壁にもなります。しかし今回、計70回ものスキャンによって、二ノ丸~本丸、さらに北側の大空堀まで、興国寺城の主要部分の詳細な形状を記録することができました。その素晴らしい成果については動画をご覧ください。これは、静岡県ポイントクラウドDBなどの広域的なデータを補完するとともに、戦国時代の城の構築技術や防御施設としての性能を知るための研究資料として、また今後の史跡の整備や保護のための基礎データとして多面的に活用できるものです。史跡や文化遺産の3D計測は今後ますます発展していく分野です。4D LAB、大八木さんのさらなる貢献を期待します。 野口 淳
